故事成語【か行】

帰去来

【帰去来（ききょらい）】（陶淵明「帰去来の辞」）

仕事をやめて、故郷に帰るため、その地を去ること。
杞憂

【杞憂（きゆう）】（『列子』）

いらない心配をすること。取り越し苦労。
牛耳を執る

【牛耳を執る（ぎゅうじをとる）】（『春秋左氏伝』）

団体や同盟の長になること。
玉石混淆

【玉石混淆（ぎょくせきこんこう）】（『抱朴子』）

すぐれたものと、つまらぬものが、入りまじっていること。
漁夫の利

【漁夫の利（ぎょふのり）】（『戦国策』）

両者が争っているすきに第三者に利益を横取りされること。
※「漁夫」とは、漁師のこと。
義を見てせざるは勇無きなり

【義を見てせざるは勇無きなり（ぎをみてせざるは　ゆうなきなり）】（『論語』）

人の道として当然行うべきことを目にして、実行しないのは、勇気がない。
錦上花を添える

【錦上花を添える（きんじょう　はなをそえる）】（王安石「即時」）

美しいもの、立派なものを、重ねること。
口に蜜あり腹に剣あり

【口に蜜あり腹に剣あり（くちにみつあり　はらにけんあり）】（『資治通鑑』）

口ではやさしいことを言い、心で悪事をたくらむ人のたとえ。
鶏口牛後

【鶏口牛後（けいこうぎゅうご）】（『戦国策』）

小さい団体のトップとなる方が、大きい団体の後ろにつくより良い。
傾国

【傾国（けいこく）】（『漢書』）（李延年（りえんねん）（前漢）の歌謡より）

国を傾け滅ぼすほどの美人・遊女。
前漢の武帝に、自分の妹の美を知らせるための歌。
蛍雪の功

【蛍雪の功（けいせつのこう）】（『晋書』）

苦学して学問にはげむこと。また、その成果。
※「功（こう）」は、努力の意。名曲「蛍の光」の元になった故事。
桂林の一枝、崑山の片玉

【桂林の一枝、崑山の片玉（けいりんのいっし、こんざんのへんぎょく）】（『晋書』）

ほんのわずかな出世。試験に合格したことの謙遜した言い方。
※「桂（かつら）」は、日本で言う「木犀（もくせい）」のこと。
逆鱗

【逆鱗（げきりん）】（『韓非子』）

天子や君主の怒り。また、目上の人の怒り。
捲土重来

【捲土重来（けんどちょうらい）】
（杜牧（晩唐）の詩「烏江亭に題す（うこうていにだいす）」より）

負けた者が再び力をつけ攻めてくること。
９世紀の唐の詩人、杜牧（とぼく）が、漢の劉邦（りゅうほう）に敗れた項羽（こうう）について論じた詩。
犬馬は難し

【犬馬は難し（けんばはかたし）】（『韓非子』）

犬や馬など、誰も見て知っているものをうまく描くのは難しい。
平凡な物事を、完璧に行うことは難しい。